8.『ありがとう、トニ・エルドマン』の入れ歯

こんにちは。

最近、繰り返し観ている映画があります。

その一つが『ありがとう、トニエルドマン』。

 


(画像引用:『トニ・エルドマン』公式サイト)

 

この映画で気になったのは、入れ歯です。

今回は、入れ歯の意味について書いてみます。

 


(画像引用:楽天市場)

 

入れ歯の意味

 

イネスの父親ヴィンフリート(トニ・エルドマン)は、入れ歯をポケットにしのばせています。

そして、イネスの前で入れ歯を出して口にはめたり取ったりを繰り返します。

アホらしいというか汚いというか鬱陶しいというか、、、。

 

多くの映画では、前半に登場する小道具が後半へと続く伏線の表れとなっていることがあります。

映画が伝えたいテーマの象徴となっていることもあります。

 

ということで、

この入れ歯の出し入れの意味はなんだろうと考えてしまいます。

 

(画像引用:『トニ・エルドマン』公式サイト)

 

監督が語る入れ歯

 

監督マーレン・アデは、公式サイトで次のように述べています。

 


(画像引用:『トニ・エルドマン』公式サイト)

 

―ヴィンフリートとトニ・エルドマンという二重のキャラクターの発想はどこから?

私の父からです。
彼はしょっちゅう、架空の人物やとんでもない状況を創造して芝居をするのです。
しかも皮肉たっぷりに。
あの入れ歯は私が彼にあげたものです。
20歳の頃、ミュンヘン国際映画祭でボランティアをした時に、『オースティン・パワーズ』のプレミア上映のチケットと、入れ歯をもらいました。
父なら使い道を知っているだろうと。
家族でレストランに行った時、入れ歯をつけてウェイターの振りをして笑わせてくれました。
彼にはそうしたユーモアの才能があり、それを私はずっと見てきたのです。

 

このインタビューからは、父親ヴィンフリートがトニ・エルドマンを演ずるときに入れ歯を入れていると読み取れますね。

入れ歯の出し入れは「これから僕はトニ・エルドマンに変身するよ」というイネスへのサインのようです。

このサインなしでは、父親ヴィンフリートは素面(しらふ)ではトニ・エルドマンになれないということなのでしょう。

 

父親ヴィンフリートが愛される理由

 

ヴィンフリートは入れ歯の力を利用しないと、すなわち入れ歯の出し入れというサインをイネスに送らないとトニ・エルドマンを演ずることが出来ないとも言えます。

この辺りが、大胆でありながら一面イネスに対して小心者であるヴィンフリートの父親ぶりが表れていていじらしいです。

だからこそ、観客は、煩わしく鬱陶しいヴィンフリートに対して忌み嫌うことなく感情移入ができるのではないでしょうか。

 

サインの受け取り

 

ホイットニー・ヒューストンの「Greatest Love Of All」、裸パーティー、クケリの登場、祖母の葬儀後の入れ歯の出し入れ。

これらは何気ないようで実に象徴的なエピソードですね。

 


(画像引用:『トニ・エルドマン』公式サイト)

 

イネスは父親ヴィンフリートのサインを受け止める感性があります。

なんて素敵な親娘なのかと羨ましく感じました。


イネスは今後どのような提案を顧客にするのか?

 

イネスはグローバル企業でコンサルティングをしています。

ドイツからルーマニアに転勤しています。

顧客は石油関連会社。

 

 

石油掘削施設の保守部署を外部委託するかどうかを迷う顧客に対して、いくつかのプランを提案するのが仕事内容です。

もしも外部委託することに決定すれば、当該部署で働く数百人の従業員の雇用は打ち切られることとなります。

外部委託の決定は、石油関連会社経営陣の責任です。

しかし、イネスの提案が経営陣の決定の大きな材料となります。

 

 

イネスがどのような提案をするのかは分かりませんが、父親ヴィンフリートと過ごした数日間がきっとイネスの提案に影響を与えることになるのではないかと推測します。

 

 

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8.『ありがとう、トニ・エルドマン』と入れ歯

 

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